アーユルヴェーダの用語・読みものを一語ずつ引けるオンライン辞典
ドーシャ・体質

プラクリティ

Prakṛti / प्रकृति

Definition

生まれ持った体質のこと。受胎のときに決まる、その人本来のドーシャ(ヴァータ・ピッタ・カパ)のバランスを指す。

この項目のポイント

  • プラクリティは受胎時に決まる、その人が生まれ持った本来の体質(ドーシャのバランス)
  • 生涯を通じて基本的に変わらない土台とされ、養生の指針になる
  • 単独・2つの組み合わせ・3つが等しい型の、合わせて7通りに分けて語られることが多い
  • その時々の乱れた状態(ヴィクリティ)と対にして捉えるのがアーユルヴェーダの体質観

変わらない自分の芯

同じものを食べても、すぐ体が冷える人と、汗をかく人がいる。

同じ出来事でも、不安になる人、腹が立つ人、のんびり受け流す人がいる。

人はそれぞれ違う、と誰もが知っています。

アーユルヴェーダは、その違いを生まれ持った体質の違いとして、はっきり言葉にしてきました。

それがプラクリティです。

プラクリティとは

プラクリティ(Prakṛti)とは、生まれ持った体質のことです。

アーユルヴェーダでは、受胎のときにその人本来のドーシャ(ヴァータ・ピッタ・カパ)のバランスが決まり、それが生涯を通じての土台になると考えます。

サンスクリット語では「本来の姿」「自然」を意味する言葉でもあります。

受胎のときに決まるもの

チャラカ・サンヒターは、プラクリティを左右するものとして、両親から受け継ぐもの、受胎の時期や子宮の状態、妊娠中の母親の食事や過ごし方などを挙げています。

その時点で優位だったドーシャが、その人の体質として刻まれる、という考え方です。

ここで大切なのは、生まれたあとの努力では体質そのものは書き換わらない、とされている点です。

体質は直すものではなく、知って付き合うもの。

この前提があるから、アーユルヴェーダの養生は、自分を変えようとするのではなく、自分に合わせる方向に組み立てられています。

7つの型

三つのドーシャは誰にでも備わっていますが、その配合の割合は人によって異なります。

組み合わせ方から、一般に次の7つの型に分けて語られます。

型例
1つが優位な型ヴァータ、ピッタ、カパ
2つが優位な型ヴァータ・ピッタ、ピッタ・カパ、ヴァータ・カパ
3つが等しい型サマ・プラクリティ

古典では、3つが等しい型が最も安定した体質とされます。

ただ、実際には2つが優位な型の人が多いといわれます。

1つだけで説明できないと感じても、それは自然なことです。

体の体質と、心の体質

アーユルヴェーダには、体のプラクリティとは別に、心のプラクリティという見方もあります。

こちらはトリグナ、つまりサットヴァ・ラジャス・タマスのどの質が強いかで見ます。

体はピッタ寄りでも、心はサットヴァが強く落ち着いている、ということは十分にありえます。

体と心を同じ物差しで決めつけないのも、この体系の特徴です。

プラクリティとヴィクリティ

アーユルヴェーダの体質観で大切なのが、本来の体質であるプラクリティと、今その時の状態であるヴィクリティを分けて捉えることです。

生活習慣や季節、食事、ストレスなどによって、ドーシャのバランスは日々ゆらぎます。

養生とは、ゆらいだ今の状態を、本来のバランスへ近づけていく営みだとされます。

よくある思い込み

プラクリティについて、よく聞く誤解が2つあります。

1つは、診断の結果がそのまま生まれつきの体質だ、という思い込みです。

チェックリストの答えには今の状態が混ざりやすく、疲れている時期にはヴァータ寄りの結果が出やすい、といったことが起こります。

もう1つは、ある体質だからこの病気になる、という決めつけです。

プラクリティはなりやすい傾向を示すものであって、運命を決めるものではありません。

偏りやすい方向が分かっていれば、先回りして整える選択ができる。

自分のプラクリティを知る意味は、そこにあります。

体つきや消化、気質などの特徴からおおまかな傾向はつかめますが、正確な見きわめには経験を要するため、詳しく知りたい場合は専門家に相談することがすすめられます。

本項目は伝統的な考え方および一般的な情報の紹介であり、特定の効果・効能を保証したり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。

FAQよくある質問

プラクリティは変わりますか?

アーユルヴェーダでは、プラクリティ(本来の体質)は基本的に生涯を通じて変わらない土台とされます。一方で、生活や季節、食事などによって今その時のバランスが乱れることがあり、その状態はヴィクリティと呼んで区別します。養生は、ヴィクリティをプラクリティに近づけていく考え方が基本です。

よいプラクリティ、悪いプラクリティはありますか?

体質そのものに優劣はないと考えるのが一般的です。古典では3つが等しい型が最も安定するとされますが、ほかの型も、偏りやすい方向が分かっていれば整え方を選べるという意味で、どれも生かし方のある体質とされます。

自分のプラクリティはどう分かりますか?

体つきや消化、肌や髪の傾向、気質などの特徴から、どのドーシャが優位かをおおまかに知ることができます。当サイトのドーシャ診断でも傾向をつかめますが、今の状態が混ざりやすいため、正確に知りたい場合は専門家に相談することがすすめられます。