アーユルヴェーダの用語・読みものを一語ずつ引けるオンライン辞典
ハーブ・生薬

アジョワン

Yavānī / यवानी

Definition

消化と張りの文脈で用いられてきた、タイムに似た香りを持つスパイス。

豆料理をたくさん食べたあと、お腹がぱんぱんに張る。

揚げ物のあとは、胃のあたりがいつまでも重たい。

そう感じるのは、食べたものと自分の消化の力が釣り合っていないからだと、アーユルヴェーダは考えます。

インドの台所では、そんな料理にこそ、ひとつまみの小さな種を加えてきました。

アジョワンとは

アジョワン(Ajwain)とは、セリ科の植物(学名 *Trachyspermum ammi*)の果実を乾かした、タイムに似た強い香りを持つスパイスです。

サンスクリット名はヤヴァーニーで、日本ではアジュワインと表記されることもあります。

種のように見える小さな粒は、植物学的には果実にあたります。

タイムに似た香りは、両者に共通して含まれる香り成分チモールによるものです。

インドの台所での使い方

アジョワンは、薬箱より先に台所にあるスパイスです。

量はほんの少しで足ります。

香りが強いので、入れすぎると料理全体がアジョワンの味になってしまうからです。

  • 熱した油やギーに入れて香りを移し、豆のカレーや野菜の炒め物の最初に使う
  • 揚げ物の衣に混ぜて、パコラなどの重くなりやすい揚げ物に合わせる
  • 全粒粉の生地に練り込んで、パラータなどの平焼きパンにする
  • 乾煎りして、食後にひとつまみ噛む

どれも、重い料理や張りやすい食材と組み合わせているのが共通点です。

豆料理にヒングと一緒に使われることが多いのも、同じ考え方からきています。

古典が記す性質

アジョワンの性質は、鋭く温める方向にはっきり振れています。

見る角度アジョワンの場合
ラサ(味)辛味、苦味
グナ(性質)軽い、乾いている、鋭い
ヴィールヤ(温冷)温める
ヴィパーカ(消化後)辛味

軽く温める性質から、冷えて滞ったヴァータと重いカパを鎮める方向に働くとされます。

弱ったアグニ(消化の火)を焚きつけ、未消化物のアーマをためない方向の素材として用いられてきました。

キャラウェイとの混同

アジョワンは、英語圏や日本の一部の資料でキャラウェイと混同されることがあります。

どちらもセリ科で、細長い小さな種の見た目が似ているためです。

実際には別の植物で、香りもまったく違います。

さらに古典の世界では、アジャモーダという似た名前のスパイスとの関係も、資料によって解釈が分かれます。

買うときは、カタカナ名だけでなく学名や香りで確かめると安心です。

ピッタが強いときは控えめに

鋭く温める素材なので、熱がこもりやすいピッタの人や、暑い季節には量を控えめにするのが伝統的な考え方です。

料理に使う量であれば日常の範囲ですが、まとまった量を続けてとる場合は別です。

妊娠中の方、持病のある方、薬を飲んでいる方は、料理以外の目的で使う前に専門家に相談してください。

本項目は伝統的な考え方の紹介であり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。

FAQよくある質問

アジョワンとキャラウェイは同じものですか?

別の植物です。どちらもセリ科で種の見た目が似ているため、混同されて紹介されることがあります。アジョワンはタイムのような強い香りが特徴で、キャラウェイはもっと甘く穏やかな香りです。

アジョワンはどんな料理に使いますか?

豆のカレー、じゃがいもの炒め物、揚げ物の衣、全粒粉のパンなどに少量を加える使い方が一般的です。油で軽く熱してから使うと香りが立ちます。

アジョワンとクミンの違いは何ですか?

どちらも消化を助けるとされますが、アジョワンは香りと辛味が強くヴァータの張りやガスの文脈で使われ、クミンは日常的にアグニを助ける素材として広く使われます。