アーユルヴェーダの用語・読みものを一語ずつ引けるオンライン辞典
ハーブ・生薬

アムラ(アマラキ)

Āmalakī / आमलकी (Amla)

Definition

インドスグリとも呼ばれる果実で、アーユルヴェーダで最も重要な若返りのハーブ(ラサーヤナ)の一つ。トリファラを構成する三果の一つでもある。

この項目のポイント

  • アムラ(アマラキ)はインドスグリ、ユカン(余甘子)とも呼ばれる緑色の小さな果実
  • 酸味が中心なのに冷ます性質をもつとされ、ピッタを乱しにくい珍しい果実として古典で重んじられてきた
  • トリファラの三果の一つで、滋養ジャムのチャワンプラーシュの主原料、ヘアオイルにも使われる

アムラ(アマラキ)とは

アムラ(Amla)とは、樹木 *Phyllanthus emblica* になる緑色の小さな果実で、アーユルヴェーダで最も尊ばれてきた若返りのハーブの一つです。

サンスクリット語ではアマラキ(*Āmalakī*)といい、日本語ではインドスグリやユカン(余甘子)と呼ばれます。

分類は以前トウダイグサ科とされ、現在はコミカンソウ科に置かれることが多くなっています。

酸っぱいのに、あとから甘い

アムラの実をかじると、まず強い酸味と渋味が来ます。

ところが飲み込んだあと、口の中にふっと甘みが残る。

日本語名の余甘子は、まさにこの「甘みが余る」感覚を名前にしたものです。

アーユルヴェーダでは、アムラは6つの味のうち塩味を除く5つをもち、その中心が酸味だとされます。

消化後の作用(ヴィパーカ)は甘味。

口で感じる甘さの名残は、古典の分類とも重なっています。

酸味なのにピッタを乱しにくい

アーユルヴェーダの基本では、酸味は体を温め、熱をもつピッタを増やしやすい味とされます。

ところがアムラは、酸味が中心でありながら冷ます性質(ヴィーリヤが冷)をもつとされてきました。

そのため、ピッタを乱さずに滋養を与えられる、例外的な果実として扱われます。

アグニ(消化の火)を穏やかに支えるとされるのも、この熱に傾かない性格によるものです。

チャラカ・サンヒターには、若さを保つものの中で最上のものとしてアマラキを挙げるくだりがあると伝えられています。

チャワンプラーシュの物語

インドの伝統的な滋養ジャム、チャワンプラーシュの主原料もアムラです。

名前の由来は、老いた聖仙チャヴァナが、この調合によって若さを取り戻したという伝説にあります。

チャラカ・サンヒターのラサーヤナの章にもこの調合が登場し、今もインドの家庭で冬の常備品として親しまれています。

トリファラの中のアムラ

アムラは、配合ハーブトリファラを構成する三果の一つでもあります。

温める性質のハリタキ、ビビータキーと組み合わされる中で、冷ます性質のアムラは主にピッタを受けもつと説明されてきました。

髪と暮らしのアムラ

アムラは、髪と頭皮のためのハーブとしての顔ももっています。

実を油で煮出したアムラオイルや、パウダーを水で練ったヘアパックは、南アジアで古くから親しまれてきました。

現代ではビタミンCを豊富に含む果実としても知られ、日本ではパウダーやサプリメント、ドリンクの原料として流通しています。

摂り方は製品の表示に従い、持病がある方や薬を飲んでいる方は専門家に相談することがすすめられます。

本項目は伝統的な考え方および一般的な情報の紹介であり、特定の効果・効能を保証したり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。

FAQよくある質問

アムラの実はそのまま食べられますか?

食べられます。インドでは生の実に塩をつけて食べたり、漬け物や砂糖漬けにしたりと、果物として身近に親しまれています。生の実は酸味と渋味が強く、食べたあとに口の中に甘みが残るのが特徴です。

アムラとアマラキは同じものですか?

同じ植物(Phyllanthus emblica、別名 Emblica officinalis)を指します。アムラはヒンディー語由来の呼び名、アマラキはサンスクリット語の呼び名で、日本語ではユカン(余甘子)やインドスグリと呼ばれます。

アムラを取り入れるときの注意点は?

酸味が強いため、空腹時に一度にたくさん摂ると胃が重く感じることがあります。パウダーやサプリメントは製品の表示に従い、持病がある方や薬を飲んでいる方、妊娠中の方は専門家に相談してください。

Sources出典