ガンドゥーシャ(オイルプリング)
Gaṇḍūṣa / गण्डूष
Definition
植物油や薬用液を口に含んでゆすぐ、アーユルヴェーダ由来の口腔ケアの習慣。オイルを使うものはオイルプリングとして広く知られる。
この項目のポイント
- ガンドゥーシャは口に油や薬用液を含む、アーユルヴェーダの口腔ケアの習慣
- 古典では、口いっぱいに含んで動かさないガンドゥーシャと、少量を含んで動かすカヴァラが区別される
- いま広まっているオイルプリングは、口の中で動かすため、古典の区別ではカヴァラに近い
- 朝の口腔ケアとして、歯磨きや舌磨きとともにディナチャリヤ(1日の過ごし方)に位置づけられる
朝、口の中のねばつきが気になる方へ
起きたばかりの口の中が、なんとなくねばついている。
歯磨きだけでは、まだすっきりしきらない気がする。
その感覚に、アーユルヴェーダは昔から名前のついた手入れを用意してきました。
口に何かを含み、しばらく保ってから吐き出す。
それがガンドゥーシャです。
ガンドゥーシャ(オイルプリング)とは
ガンドゥーシャ(Gaṇḍūṣa)とは、植物油や薬用の液体を口に含み、しばらく保ってから吐き出す、アーユルヴェーダ由来の口腔ケアの習慣です。
とくにオイルを用いる方法は、近年オイルプリングという名で世界的に知られるようになりました。
古典では、口に含む量や動かし方の違いによって、いくつかの口腔ケアが分けて説明されています。
その代表が、このガンドゥーシャと、次に紹介するカヴァラです。
古典での位置づけ
チャラカ・サンヒターは、日々の過ごし方を説くくだりで、ごま油を口に含む習慣を取り上げています。
あごや声がしっかりし、味がよくわかり、喉や唇の乾きを防ぐ、といった働きが伝統的に語られてきました。
アシュターンガ・フリダヤでは、ガンドゥーシャが目的によって4つに分けられています。
使う液体も、油だけでなく、乳や煎じ液、蜂蜜を溶いた水など、目的に合わせて選ばれてきました。
口いっぱいに含んで、動かさない
古典が描くガンドゥーシャは、口の中で液体が動かせないほど満たして、そのまま保つ形です。
口の中にカパがたまり、鼻や目がうるんでくるころが、吐き出す目安とされます。
ぶくぶくとゆすぐのではなく、静かに含んで待つ。
ここが、一般的なうがいとの大きな違いです。
カヴァラ(少量を含んで動かす)
カヴァラ(Kavala)は、口に少量の液体を含み、口の中で動かしてから吐き出す口腔ケアです。
ガンドゥーシャと並んで古典に記され、2つは量と動かし方で区別されます。
| ガンドゥーシャ | カヴァラ | |
|---|---|---|
| 含む量 | 口いっぱい | 楽に動かせる程度 |
| 口の中で | 動かさずに保つ | 動かしてゆすぐ |
| 使うもの | 油、乳、煎じ液など | 油、煎じ液、温めた液体など |
文献によっては、液体を使うものをガンドゥーシャ、練り物を含むものをカヴァラ、と使うものの形で分ける説明もあります。
いまのオイルプリングはどちらに近いか
現在広まっているオイルプリングは、オイルを口に含んで、くちゅくちゅと動かす方法がほとんどです。
古典の区別に当てはめると、これはむしろカヴァラに近い形といえます。
口いっぱいに含むのが苦しいと感じる人にとって、少量を動かすカヴァラは、無理なく続けやすい入り口になります。
ほかの口腔ケアとの組み合わせ
カヴァラは、歯を清めるダンタダーヴァナ、舌磨きと組み合わせて行われてきました。
使うオイルと行い方
伝統的にはごま油が最もよく用いられ、近年はココナッツオイルもよく使われます。
食用に適した質のよいオイルを選ぶのが基本です。
使ったオイルは飲み込まずに吐き出します。
強くやりすぎず、心地よい範囲で行うことがすすめられます。
ディナチャリヤの一部として
ガンドゥーシャとカヴァラは、起床後の身支度を整える養生ディナチャリヤの一部として位置づけられてきました。
朝は重く停滞しやすいカパの性質が高まりやすい時間帯とされ、口内のねばつきをリセットする習慣は、この時間帯と相性がよいと考えられてきました。
口内をきれいに保つことは、未消化物(アーマ)を増やさない養生ともつながるとされます。
口内やのどに不調がある場合、また体質に不安がある場合は無理に行わず、歯科医や専門家に相談してください。
本項目は伝統的な考え方および一般的な情報の紹介であり、特定の効果・効能を保証したり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。
FAQよくある質問
ガンドゥーシャ(オイルプリング)とは何ですか?
植物油や薬用の液体を口に含み、しばらく保ってから吐き出す、アーユルヴェーダ由来の口腔ケアの習慣です。とくにオイルを用いるものは、近年オイルプリングとして世界的に知られるようになりました。
口いっぱいに含むのが苦しいときは、どうすればよいですか?
無理に満たす必要はありません。少量を含んで口の中で動かすカヴァラの形も、古典に並べて記されている正式な方法です。続けやすい量から始めるのが自然です。
使い終わったオイルはどう捨てますか?
飲み込まずに吐き出します。油は排水管の中で固まりやすいため、洗面台に流さず、紙に吐き出して燃えるごみとして捨てる方法がよく紹介されています。