食事・食養生

ギー

Ghṛta / घृत (Ghee)

Definition

無塩バターから水分と乳固形分を取り除いた、純粋な乳脂肪(澄ましバター)。アーユルヴェーダで最も尊ばれる油とされ、消化力や滋養を支える目的で伝統的に用いられてきた。

この項目のポイント

  • ギーは無塩バターを加熱して水分と乳固形分を除いた、澄んだ黄金色の乳脂肪
  • アーユルヴェーダではあらゆる油の中で最も優れたものの一つとされ、消化の火を乱さず滋養を与えるとされる
  • 料理や、ハーブを溶かし込む土台(薬用ギー)として古典から現代まで幅広く使われてきた

ギーとは

ギー(Ghee、サンスクリット語でギュリタ *Ghṛta*)は、無塩バターを弱火で加熱し、水分と乳固形分を取り除いてつくる、純粋な乳脂肪です。日本語では澄ましバターとも呼ばれ、澄んだ黄金色と香ばしい風味が特徴です。アーユルヴェーダでは数ある油(スネーハ)の中でも最も優れたものの一つとされ、食養生から施術まで幅広い場面で登場します。

消化の火を乱さない油

多くの油やバターは摂りすぎると消化に重いとされますが、アーユルヴェーダではギーは例外的に、消化の火(アグニ)を鈍らせずに体へ滋養を届ける油と考えられてきました。うるおいを与えて乾きを癒やす性質から、乾燥や不安定さをもつヴァータを落ち着かせ、熱をもつピッタを穏やかに鎮める働きがあるとも伝統的に説明されます。

薬用ギーという知恵

アーユルヴェーダの大きな特徴が、ハーブの成分をギーに溶かし込んでつくる薬用ギー(ギュリタ)です。脂溶性の成分を体に届けやすくする土台としてギーが選ばれ、古典には数多くの処方が記されています。浄化法であるパンチャカルマの準備段階でも、体を内側から整えるためにギーを用いる方法が知られています。

現代での取り入れ方

ギーは加熱に強く風味が豊かなため、炒め物やスープの仕上げ、トーストなど、日常の料理でバターや油の代わりに使えます。近年は日本でも瓶詰めのギーが手に入りやすくなりました。とはいえ脂質であることに変わりはないので量は適度にし、体質や健康状態が気になる場合は専門家に相談することがすすめられます。

本項目は伝統的な考え方および一般的な情報の紹介であり、特定の効果・効能を保証したり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。

FAQよくある質問

ギーとは何ですか?

無塩バターを弱火で加熱し、水分と乳固形分(タンパク質など)を取り除いた、純粋な乳脂肪です。澄ましバターとも呼ばれ、澄んだ黄金色をしています。アーユルヴェーダではギュリタと呼ばれ、最も尊ばれる油の一つとされてきました。

ギーはなぜアーユルヴェーダで重視されるのですか?

アーユルヴェーダでは、ギーは消化の火(アグニ)を乱さずに体へ滋養を届ける油とされ、心身をうるおし整える性質があると伝統的に考えられてきました。ハーブの成分を溶かし込む土台としても優れるとされ、薬用ギーが数多くつくられてきました。

ギーはどのように使いますか?

炒め物や仕上げの風味づけなど、通常の油やバターの代わりとして料理に使えます。加熱に強く風味が豊かなのが特徴です。脂質であることに変わりはないため、量は適度にし、体質や健康状態が気になる場合は専門家に相談してください。