理論・概念オージャスを育てる|活力と免疫の精髄という考え方
アーユルヴェーダで生命力の精髄とされるオージャスについて解説します。どのようにつくられるとされるのか、減る原因、日々の生活で育てる方法をまとめました。…
Ojas / ओजस्
Definition
消化の最終産物として生まれるとされる、活力と免疫の精髄。オージャスが満ちている状態が、輝きや安定感、揺るがない健やかさの土台と考えられている。
この項目のポイント
よく眠れて、温かいごはんをおいしく食べた翌朝。
肌の調子がよく、人にやさしくなれる気がする。
反対に、忙しさが続いたあとは、顔色がくすんで、ちょっとしたことで不安になる。
その違いを、なんとなく感じたことがあるはずです。
アーユルヴェーダは、その満ちている感じに名前をつけてきました。
それがオージャスです。
オージャス(Ojas)とは、アーユルヴェーダで、食べたものが消化・代謝されていく過程の最終地点に生まれるとされる、活力の精髄です。
体をつくる7つの組織(ダートゥ)すべてのエッセンスが凝縮したものと説明されます。
肌や目の輝き、心の安定、外からのゆらぎに負けない抵抗力の土台になると、伝統的に考えられてきました。
目には見えないものの、その人の健やかさが放つ輝きとして現れる、と古典は語ります。
古典には、蜂が花々から蜜を集めるように、体の組織からエッセンスが集まってオージャスになる、というたとえもあります。
チャラカ・サンヒターでは、その座は心臓(フリダヤ)にあるとされています。
オージャスの考え方の中心には、消化の火(アグニ)があります。
アグニが整い、食べたものが完全に消化されると、その最終産物としてオージャスが生まれる。
反対に、消化が中途半端に終わると未消化物(アーマ)がたまり、オージャスは育たない。
何を食べるかと同じくらい、どう消化されるかが大切だというのがアーユルヴェーダの見方です。
伝統的には、不規則な食事、睡眠不足、働きすぎ、絶え間ない心配や怒り、感覚への刺激の摂りすぎなどがオージャスを消耗させるとされてきました。
反対に育てるのは、消化力に合った温かい食事をよく味わって食べること、十分な休息、そして穏やかな心の時間です。
食べ物では、ギー、旬の熟した甘い果物、ナッツ、良質なミルクなどが、オージャスを養うものとして挙げられてきました。
組織を養い若さを保つためのラサーヤナも、オージャスを育てる養生の流れの中で語られます。
オージャスは体だけの話ではなく、心の状態と深く結びつくとされます。
満ち足りた気持ち、感謝、愛情のある関わりはオージャスを育て、慢性的な緊張や不安はそれをすり減らす、と伝統的に説明されてきました。
瞑想(ディヤーナ)のような心を静める実践が養生として重視されるのも、この考え方とつながっています。
現代のアーユルヴェーダの解説では、オージャスを、プラーナ、テージャスと組にして語ることが多くあります。
3つはそれぞれ、ドーシャの精妙な側面にあたると説明されます。
ドーシャが乱れると不調のもとになるのに対し、この3つは満ちているほど健やかさの土台になる、と語られる点が違います。
ただし、どれか1つだけが強ければよいわけではありません。
プラーナが動かし、テージャスが照らし、オージャスが受け止める。
3つが支え合っている状態が、心身の落ち着きにつながると考えられています。
テージャス(Tejas)は、サンスクリット語で輝き、光、熱を意味する言葉です。
ピッタの精妙な側面とされ、アグニの輝きにあたるエネルギーと説明されます。
食べ物を消化するのがアグニなら、受け取った情報や経験を消化して理解に変えるのがテージャス、という語られ方をします。
そのため、知性や識別力、目の輝きとして現れるとされます。
テージャスは多すぎても少なすぎても乱れにつながります。
過剰になると、燃え尽きるような消耗や、いらだちやすさにつながるとされます。
ここでは、強い火がオージャスを焦がしてしまう、というたとえで語られることがあります。
反対に不足すると、ものごとを見分ける力が鈍り、判断に迷いやすくなると説明されます。
オージャスが燃料なら、テージャスはその燃料を使って灯る火。
燃料が満ちていて、火がちょうどよく灯っている状態が理想と考えられてきました。
本項目は伝統的な考え方および一般的な情報の紹介であり、特定の効果・効能を保証したり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。
オージャスとは何ですか?
アーユルヴェーダで、食べたものが消化・代謝される過程の最後に生まれるとされる、活力の精髄です。体のすべての組織のエッセンスであり、輝き・安定感・抵抗力の土台になると伝統的に考えられています。
オージャスが減るとどうなるとされていますか?
不規則な食事や睡眠不足、過労、強い心配やストレスが続くと、オージャスが消耗すると伝統的に説明されます。疲れやすさ、乾いた印象、不安感などが目安として語られてきました。
オージャスとテージャスはどう違いますか?
オージャスが満たして守る力なのに対し、テージャスは照らして見分ける力とされます。前者はカパ、後者はピッタの精妙な側面にあたると説明され、片方だけが強すぎない状態がよいと考えられています。