アーユルヴェーダの用語・読みものを一語ずつ引けるオンライン辞典
生活・養生

白湯(さゆ)

Uṣṇodaka / उष्णोदक

Definition

水を沸かしてから飲みやすい温度にした、混ぜ物のない温かい湯のこと。アーユルヴェーダでは消化の火を助け、体を温めて巡りを整える最も基本的な養生とされる。

この項目のポイント

  • 白湯は水を一度沸かしてから冷ました、何も加えない温かい湯のこと
  • アーユルヴェーダでは沸かすことで水が軽く消化しやすくなり、消化の火(アグニ)を助けるとされる
  • 朝いちばんに水や白湯を飲む習慣はウシャパーナと呼ばれ、1日の始まりの養生として伝えられてきた
  • 冷たい水より温かい湯が勧められ、量よりもゆっくり飲むことが大切にされる

朝の白湯が体に合う気がしている方へ

朝いちばんの白湯が、なんとなく体に合う気がする。

冷たい水より、温かい湯のほうがすっとお腹に落ちていく。

その感覚は、たぶん正しいです。

アーユルヴェーダでは、ただの湯を沸かして飲むことが、最も基本的な養生の一つに数えられてきました。

白湯(さゆ)とは

白湯とは、水を一度しっかり沸かしてから、飲みやすい温度に冷ました、何も加えない温かい湯のことです。

アーユルヴェーダではウシュノーダカ(Uṣṇodaka、温かい水の意)と呼ばれます。

特別な材料も道具も要らない、最も手軽な養生として古くから親しまれてきました。

なぜ沸かすことが大切とされるのか

アーユルヴェーダでは、水を火にかけて沸かすことで、その性質が軽く、消化しやすいものに変わると考えられてきました。

冷たい水や生水は体を冷やし、消化の火(アグニ)の働きを鈍らせるとされます。

いったん沸かした温かい湯は、体を内側から温めてアグニを助けるとされます。

古典には、沸かして水分を減らした湯はさらに軽く、体に負担が少ないとする記述もみられます。

単なるお湯ではなく、火を通す一手間そのものに意味があると位置づけられているのです。

沸かしたてが好まれる理由

沸かしてから一晩おいた湯は、沸かしたときの軽さが失われるとされ、伝統的には好まれません。

その日の分を、その日に沸かす。

白湯がよく朝の習慣と結びつくのは、この考え方とも重なっています。

ドーシャから見た白湯

ドーシャ白湯との関係
ヴァータ冷え・乾き・動きすぎを、温かさと潤いで落ち着かせるとされる
カパ重さや粘りを、温かさで流しやすくするとされる
ピッタ熱を持ちやすいため、熱すぎない温度にとどめるのがよいとされる

体が温まることで巡りが整いやすくなり、たまった未消化物(アーマ)を穏やかに手放す助けになるとも考えられてきました。

ウシャパーナ(朝いちばんの水)

ウシャパーナ(Uṣaḥpāna)は、夜明けに水を飲む習慣を指す言葉です。

ウシャは夜明け、パーナは飲むことを意味します。

ディナチャリヤ(1日の過ごし方)の中でも、起きてすぐに行う最初期の項目として位置づけられてきました。

冷たい水ではなく白湯で

ウシャパーナに使う水は、白湯のように温かいものが勧められるのが一般的な解釈です。

夜のあいだに動きが鈍っていた体を促し、アグニを起こす目的で行われます。

朝いちばんに口にするものが、その日の消化の入口になる、という見方です。

朝の排せつが促されやすくなる流れとして説明されることもあります。

銅の器に一晩おいた水を用いる、という伝統も伝えられています。

この場合は、沸かした湯ではなく、器の性質を水に移すという別の考え方に立っています。

朝の流れの中での順番

伝統的な朝の流れは、日の出前のブラフマムフルタに起き、舌磨きで舌の汚れを落とし、それから白湯を飲む、という形でよく紹介されます。

寝ているあいだに舌の上に出てきたものを、水と一緒に飲み込まないための順番とされます。

一気に飲み干すより、少しずつ口に含むように飲むのが基本です。

日々の取り入れ方

日本では、やかんで水を沸騰させ、ふたを開けたまま10分ほど沸かし続ける作り方がよく紹介されています。

飲む温度は、熱すぎず、ゆっくり味わえるくらいが目安です。

朝の1杯に加えて、食事とともに少しずつ飲む方法も知られています。

量を増やすことより、温かいものをゆっくり飲むことが大切にされてきました。

腎臓や心臓の持病などで水分のとり方に指示がある方は、主治医の指示を優先してください。

本項目は伝統的な考え方および一般的な情報の紹介であり、特定の効果・効能を保証したり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。

FAQよくある質問

白湯とは何ですか?

水を一度しっかり沸かしてから、飲みやすい温度に冷ました、何も加えない温かい湯のことです。アーユルヴェーダではウシュノーダカと呼ばれ、日々の養生の基本とされてきました。

朝の白湯は、舌磨きの前と後のどちらに飲みますか?

伝統的な朝の流れでは、舌磨きで寝ているあいだについた舌の汚れを落としてから飲む順番がよく紹介されます。汚れを一緒に飲み込まないための工夫とされます。

作り置きした白湯でもよいですか?

その日のうちに沸かしたものがすすめられます。沸かしてから一晩おいた湯は、沸かしたての軽さが失われるとされ、伝統的には好まれません。保温ポットに入れて、その日のうちに飲みきる形が続けやすいでしょう。