トゥルシー(ホーリーバジル)
Tulasī / तुलसी (Holy Basil)
Definition
インドで最も神聖とされるシソ科のハーブ。ホーリーバジルとも呼ばれ、アーユルヴェーダでは心身を整えるハーブティーなどとして日常的に用いられてきた。
この項目のポイント
- トゥルシーはインドで「比類なきもの」を意味する、最も神聖とされるハーブ
- 葉の色や種類によってラーマ、クリシュナ、ヴァナと呼び分けられる
- 温める性質をもち、カパとヴァータを整えるとされ、お茶として最も身近に親しまれている
トゥルシー(ホーリーバジル)とは
トゥルシー(Tulasī)とは、シソ科メボウキ属のハーブで、英語ではホーリーバジル(聖なるバジル)と呼ばれる植物です。
学名は *Ocimum tenuiflorum*(別名 *Ocimum sanctum*)。
サンスクリット語の名は「比類なきもの」を意味します。
インドでは数ある植物の中で最も神聖なものとして、家庭の庭や寺院に植えられてきました。
3つのトゥルシー
インドでトゥルシーと呼ばれるものには、いくつかの種類があります。
| 呼び名 | 見た目 | 特徴 |
|---|---|---|
| ラーマ・トゥルシー | 明るい緑の葉 | 香りがやわらかく、お茶に使われることが多い |
| クリシュナ(シャーマ)・トゥルシー | 紫がかった葉と茎 | 香りと辛みがやや強い |
| ヴァナ・トゥルシー | 大きめの緑の葉 | 野生のトゥルシー。別の種(*Ocimum gratissimum*)を指す |
市販のトゥルシーティーには、これらをブレンドしたものもあります。
パッケージに種類が書かれていたら、香りの違いを飲み比べてみるのも楽しみ方の一つです。
古典での名前はスラサー
古典の中では、トゥルシーはスラサー(*Surasā*)という名前でよく登場します。
アーユルヴェーダの見方では、辛味と苦味をもち、軽く乾いた性質で、体を温める側(ヴィーリヤが温)に分類されます。
重く湿りやすいカパと、冷えて不安定になりやすいヴァータを整える一方、温める性質から、熱がこもりやすい時期のピッタには控えめに使うと説明されます。
季節の変わり目のハーブ
肌寒い朝に温かいトゥルシーティーを飲むと、なんとなく呼吸が深くなる気がする。
その感覚は、アーユルヴェーダの考え方とよく重なります。
カパがたまりやすい冬の終わりから春、湿気の多い雨の季節に、のどや呼吸を心地よく保つハーブとして語られてきました。
季節ごとの過ごし方であるリトゥチャリヤの中で、トゥルシーはその時期の一杯として名前が挙がることの多いハーブです。
祈りの植物としての顔
トゥルシーはヒンドゥー教で女神の化身とされ、ヴィシュヌ神と深く結びつけられてきました。
秋のカールティカ月には、トゥルシーとヴィシュヌ神の婚礼を祝うトゥルシー・ヴィヴァーハという行事が各地で行われます。
茎を削って作るトゥルシーの数珠は、祈りの道具として今も使われています。
暮らしを支えるハーブであり、祈りの中心にある植物でもある。
この二つの顔をあわせもつことが、トゥルシーが特別視されてきた理由です。
日々の取り入れ方
最も身近なのは、乾燥させた葉をお湯で淹れるトゥルシーティーです。
ノンカフェインで、ややスパイシーな清涼感のある香りが特徴です。
朝の一杯としてディナチャリヤ(1日の過ごし方の養生)に取り入れる楽しみ方も知られています。
心を落ち着ける系統のハーブとして、アシュワガンダやブラーミと並べて紹介されることもあります。
妊娠中の方や持病・服薬中の方は、取り入れる前に専門家へ相談することがすすめられます。
本項目は伝統的な考え方および一般的な情報の紹介であり、特定の効果・効能を保証したり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。
FAQよくある質問
トゥルシーとスイートバジルは違うものですか?
同じメボウキ属ですが別の種類です。料理に使うスイートバジルに対し、トゥルシーはややスパイシーで清涼感のある香りが特徴で、主にお茶や伝統的な手当てに用いられてきました。
トゥルシーは日本で育てられますか?
種や苗が流通しており、家庭で育てる人もいます。暑さを好むハーブなので、日本では春から秋にかけて育て、寒さには弱いとされます。育てた葉を摘んで生のままお茶にする楽しみ方もあります。
トゥルシーティーを避けたほうがよい人はいますか?
ノンカフェインのハーブティーとして日常的に楽しまれていますが、妊娠中の方や、持病がある方、薬を飲んでいる方は、取り入れる前に専門家へ相談してください。