ターメリック(ウコン)
Haridrā / हरिद्रा (Turmeric)
Definition
ショウガ科の植物ウコンの根茎を乾燥させた黄金色のスパイス。アーユルヴェーダではハリドラーと呼ばれ、食事から日々の手当てまで幅広く用いられてきた代表的な生薬。
この項目のポイント
- ターメリックはウコンの根茎から作られる黄金色のスパイスで、アーユルヴェーダではハリドラーと呼ばれる
- 苦味と辛味を中心にもち、温める性質があるとされ、とくにカパを軽くすると伝統的に考えられてきた
- 日本で秋ウコンと呼ばれるものがスパイスのターメリックにあたり、春ウコンや紫ウコンとは別の植物
ターメリック(ウコン)とは
ターメリック(Turmeric)とは、ショウガ科の植物ウコン(*Curcuma longa*)の根茎を乾燥させて粉にした、黄金色のスパイスです。
カレー粉の主原料として世界中で使われ、日本ではウコンの名で親しまれてきました。
アーユルヴェーダではハリドラー(*Haridrā*)と呼ばれます。
台所の棚にありながら、生薬でもある。
食と手当ての境目に立つ、いちばん身近なハーブといってよいでしょう。
いくつもの呼び名
古典の世界では、ターメリックはハリドラー以外にもたくさんの名前で呼ばれてきました。
夜を意味するニシャーやラジャニー、黄金を思わせるカーンチャニー、美しい肌の色を与えるものという意味をもつヴァラヴァルニニーなどです。
名前の多さは、それだけ暮らしの中で頻繁に登場した植物だったことを物語ります。
インドでは今も、結婚式の前に花嫁と花婿の肌にターメリックのペーストを塗るハルディという儀式が続いています。
秋ウコン・春ウコン・紫ウコン
日本ではウコンと名のつく植物がいくつか流通しているため、少しややこしく感じるかもしれません。
| 日本での呼び名 | 学名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 秋ウコン | *Curcuma longa* | 断面が濃い黄色。スパイスのターメリックはこれ |
| 春ウコン(キョウオウ) | *Curcuma aromatica* | 苦味が強く、黄色はやや淡い |
| 紫ウコン(ガジュツ) | *Curcuma zedoaria* | 断面が青紫がかる |
アーユルヴェーダでハリドラーといえば、秋ウコンにあたる *Curcuma longa* のことです。
また、名前がよく似たダールハリドラー(木のハリドラー)は、メギ科の別の植物を指します。
古典での性質
アーユルヴェーダの見方では、ターメリックは苦味と辛味を中心にもち、乾いて軽い性質をもつとされます。
体に対しては温める側(ヴィーリヤが温)に分類されてきました。
重く湿りやすいカパを軽くする方向に働くと考えられ、アグニ(消化の火)を支えて、未消化物のアーマをためにくくするとされてきました。
苦味と冷ます性質をもつニームと並べて語られることが多いのも、どちらも肌まわりの伝統的な手当てに登場するからです。
台所での使い方
ターメリックの黄色い色素は、水には溶けにくく、油になじみやすい性質をもっています。
インドの家庭料理で、熱した油やギーにスパイスを入れて香りを出すとき、ターメリックも一緒に加えるのは理にかなった手順です。
温めたミルクに溶かすゴールデンミルクも、就寝前の一杯として親しまれてきました。
布やまな板につくと色が落ちにくいので、扱うときはそこだけ気をつけておくと安心です。
取り入れるときの心構え
料理に使う量であれば、日常的に取り入れやすいスパイスです。
一方で、濃縮されたサプリメントは製品の表示に従うことが大切です。
胆のうに不安がある方、妊娠中の方、持病があって薬を飲んでいる方は、事前に専門家へ相談することがすすめられます。
本項目は伝統的な考え方および一般的な情報の紹介であり、特定の効果・効能を保証したり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。
FAQよくある質問
ターメリックはいつ料理に入れるのがよいですか?
インドの家庭料理では、熱した油やギーにスパイスを入れて香りを出すところで、ターメリックも早めに加えることが多いです。黄色い色素は油になじみやすいため、油と一緒に使う料理と相性がよいとされます。
ターメリックとウコンは同じものですか?
スパイスとして流通するターメリックは、日本で秋ウコンと呼ばれる植物(Curcuma longa)にあたります。春ウコンや紫ウコンは同じ仲間の別の植物で、味や色が異なります。
ターメリックのサプリメントを使うときの注意点は?
料理に使う分量と、濃縮されたサプリメントとでは考え方が変わります。製品の表示に従い、胆のうに不安がある方、妊娠中の方、血液を固まりにくくする薬などを飲んでいる方は、使う前に専門家へ相談してください。