ドーシャ・体質ドーシャの組み合わせで読む体質|7タイプの見方と使い方
アーユルヴェーダの体質は、3つのドーシャの組み合わせで7タイプに整理されます。単一型・2つ並ぶ型・均等型それぞれの見方と、診断結果が毎回変わる理由、タイプを生活…
Vikṛti / विकृति
Definition
生まれ持った体質から今どれだけずれているかをあらわす、現在の状態のこと。
この項目のポイント
本当はのんびりした性格なのに、最近はなぜか焦ってばかりいる。
もともと胃腸は強いはずなのに、この季節だけは調子を崩す。
いつもの自分と今の自分が違う、という感覚は、多くの人が持っています。
そのずれを、アーユルヴェーダはきちんと別の名前で呼んできました。
それがヴィクリティです。
ヴィクリティ(Vikṛti)は、いまの体の状態を指します。
生まれ持った体質であるプラクリティに対して、季節・年齢・生活・食事によって変化した、現在のバランスのことです。
サンスクリット語では「変化したもの」「本来の姿から離れたもの」を意味し、古典では病的な変化そのものを指す言葉としても使われます。
体質と対にして、今の状態という意味で使う整理は、現代のアーユルヴェーダの解説で広く用いられているものです。
| プラクリティ | ヴィクリティ | |
|---|---|---|
| 指すもの | 生まれ持った本来のバランス | 今その時のバランス |
| 決まる時期 | 受胎のとき | 日々動く |
| 変わるか | 基本的に変わらない | 季節や生活で変わる |
| 向き合い方 | 知って付き合う | 本来の側へ戻していく |
アーユルヴェーダの見立ての要点は、本来の割合からどれだけずれているかを見ることにあります。
同じ症状でも、もともとヴァータが多い人と、いまだけヴァータが増えている人では、必要な調整が変わります。
ヴィクリティは、毎日少しずつ動いています。
動かすものは、いくつかあります。
季節は、その代表です。
乾いて冷える時期にはヴァータ、暑い時期にはピッタ、湿って重い時期にはカパが増えやすいとされ、季節ごとの過ごし方はリトゥチャリヤとしてまとめられています。
年齢も、ゆっくりとヴィクリティを動かします。
さらに、食べたもの、眠った時間、抱えている心配ごとが、日単位でバランスを揺らします。
生まれ持って多いドーシャほど、さらに増えやすい傾向があるともいわれます。
ヴァータ優位の人が、忙しさの中でさらにヴァータを乱しやすい、というのがその例です。
ヴィクリティを読むときは、どのドーシャが動いているかに加えて、向きと深さも見ます。
増えたのか減ったのかを分ける見方は、ヴリッディ・クシャヤと呼ばれます。
未消化物のアーマが絡んでいるかどうかは、サーマ・ニラーマとして区別されます。
ずれが小さいうちは、生活の小さな調整で戻りやすいとされます。
ずれが深まり、不調として形をとっていく道筋は、ニダーナの項で扱う病の成り立ちの考え方につながります。
体質診断で分かるのは、多くの場合いまのヴィクリティです。
疲れがたまっている時期に答えると、ヴァータ寄りの結果が出やすい、といったことが起こります。
結果が生まれつきの体質と違って見えても、それは診断の誤りというより、今の状態を正直に映していると受け取れます。
時期を変えて何度か答えてみると、自分の本来の傾向と、今のずれの両方が見えてきます。
判断に迷うときや、体調の不安が続くときは、専門家や医療機関に相談してください。
本項目は伝統的な考え方の紹介であり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。
ヴィクリティとは何ですか?
いまの体の状態を指します。生まれ持った体質であるプラクリティに対して、季節・年齢・生活・食事によって変化した現在のバランスのことです。
体質診断で分かるのはどちらですか?
多くの場合いまのヴィクリティです。生まれつきの体質そのものではなく、今の傾向として受け取るのが適切な使い方とされます。時期をあけて答え直すと結果が変わることがあるのも、このためです。
ヴィクリティがあるのは悪いことですか?
そうではありません。季節や年齢によってバランスが動くのは自然なことで、誰にでもヴィクリティはあります。大切なのは、どちらにどれくらい動いているかを知って、早めに戻す方向を選ぶことだとされます。