施術・トリートメント部位別バスティの選び方|腰・膝・首の違い
腰に行うカティバスティ、膝に行うジャーヌバスティ、首に行うグリーヴァーバスティ。名前は似ていますが、対象の部位も向いている悩みも異なります。3つの局所バスティの…
Basti / बस्ति
Definition
薬用の浣腸を用いる処置。ヴァータの治療としてもっとも重要とされることが多い。
この項目のポイント
冷えた日や、移動が続いた日に、お腹が張ってガスがたまる。
体の下のほうが落ち着かないと、気持ちまでそわそわしてくる。
アーユルヴェーダでは、こうした状態を、動きと乾きの性質を持つヴァータの乱れとして捉えてきました。
そして、そのヴァータに向けたもっとも重要な処置として、バスティを位置づけてきました。
バスティ(Basti)とは、薬用のオイルや煎じ液を肛門から注入する、浣腸の処置です。
日本語では浣腸法と訳されます。
本格的な浄化法であるパンチャカルマの5つの処置の一つに数えられます。
バスティという言葉は、もともと膀胱を意味します。
古い時代、動物の膀胱を袋として使い、液を注入していたことに由来するとされます。
インドなどのアーユルヴェーダの医療機関で、医師の診断と管理のもとに行われる処置であり、自分で試すものではありません。
チャラカ・サンヒターでは、バスティは治療の半分にあたる、とまで言われています。
ヴァータの主要な座は大腸にあるとされ、バスティはそこに直接届く処置です。
排出を担うアパーナ・ヴァーユの働きに、もっとも近い場所から働きかけると考えられてきました。
さらにヴァータは、3つのドーシャのうち、ほかの2つを動かす役を担うとされます。
動かす役のヴァータを整えることが、全体を整えることにつながる。
バスティが特別に重く扱われてきたのは、この考え方があるからです。
バスティは、注入するものによって大きく2つに分けられます。
ニルーハはアースターパナとも呼ばれます。
2つを交互に組み合わせて行う組み方があり、回数の違いによってカルマ・バスティ、カーラ・バスティ、ヨーガ・バスティといった名前で呼ばれます。
少量のオイルで行う穏やかな形はマートラー・バスティと呼ばれ、古典では比較的幅広い人に用いられるとされています。
どの形も、医師が体質と状態を見て選ぶものです。
アーユルヴェーダには、バスティの名前を含むのに、浣腸とはまったく違う手当てもあります。
腰に生地で土手を作ってオイルを溜めるカティバスティ、膝に溜めるジャーヌバスティ、頭に筒を固定して溜めるシローヴァスティです。
これらは、液を溜めておく器という意味でバスティの名前を借りた、体の外側からの処置です。
また、膀胱そのものは、守るべき3つの大きな急所(マルマ)の一つにも数えられています。
バスティは、前処置でオイルと温熱を用いて体を整えてから行われます。
体力が極端に落ちているとき、妊娠中、下痢が続いているときなどは、避けるべき場合があるとされます。
量・素材・回数はすべて医師の判断で決められ、家庭で行うものではありません。
日々の暮らしでヴァータが気になるときは、体を冷やさない、温かく油分のある食事をとる、生活のリズムを整える、といった養生のほうが入り口として取り入れやすいものです。
本項目は伝統的な考え方の紹介であり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。
バスティとは何ですか?
薬用のオイルや煎じ液を用いる浣腸の処置です。パンチャカルマの5つの処置の一つに数えられます。
種類はありますか?
オイルを用いるものと煎じ液を用いるものがあり、目的によって使い分けられます。いずれも医師の管理下で行われる処置で、家庭で行うものではありません。
カティバスティとバスティは同じものですか?
別のものです。カティバスティは腰に生地で土手を作って温かいオイルを溜める、体の外側からの処置です。液を溜める器という意味でバスティの名前を借りています。