アーユルヴェーダの用語・読みものを一語ずつ引けるオンライン辞典
生活・養生

ムフールタ

Muhūrta / मुहूर्त

Definition

インドの伝統的な時間の単位で、一日を30に分けた約48分のひと区切り。事を始めるのにふさわしい時を選ぶ考え方も指す。

この項目のポイント

  • ムフールタは一日を30に分けた時間の単位で、約48分にあたる
  • 昼と夜にそれぞれ15ずつ割り当てられ、ひと区切りは2ガティ(1ガティは約24分)
  • 日の出前のひと区切りがブラフマ・ムフールタと呼ばれる
  • 転じて、事を始めるのにふさわしい時を選ぶ考え方も指すが、アーユルヴェーダが使うのは主に時間の区切りの意味

時間を区切りで感じている方へ

なんとなく、朝の1時間と夕方の1時間は、同じ長さに思えない。

始めるのにちょうどいい時と、そうでない時がある気がする。

インドの伝統には、その感覚に寄りそう時間の物差しがあります。

それがムフールタです。

ムフールタとは

ムフールタ(Muhūrta)は、インドの伝統的な時間の単位です。

1日を30に分けたひと区切りを指し、24時間を30で割るとおよそ48分にあたります。

サンスクリット語では、短い間やひととき、という意味でも使われる言葉です。

そこから転じて、事を始めるのにふさわしい時を選ぶ考え方そのものを指す語としても使われます。

時計の時間とどう違うか

ムフールタは、昼に15、夜に15と割り当てられます。

ひと区切りは2ガティで、1ガティはおよそ24分です。

単位長さの目安1日あたり
ガティ約24分60
ムフールタ約48分(2ガティ)30

48分というのは、昼と夜の長さが等しいときの目安です。

伝統的な暦の実務では、日の出から日の入りまでを15に分けるため、夏の昼のムフールタは長く、冬の昼のムフールタは短くなります。

時計の1時間がいつも同じなのに対して、ムフールタは太陽の動きに合わせて伸び縮みする時間といえます。

昼のちょうど真ん中にあたるひと区切りはアビジットと呼ばれ、とくによい時とされてきました。

アーユルヴェーダの中のムフールタ

アーユルヴェーダで最もよく登場するのがブラフマムフルタです。

日の出前のムフールタを指し、おおよそ日の出の1時間半前から始まる時間帯にあたります。

1日の過ごし方を説くディナチャリヤでは、この時間に起きることがすすめられてきました。

夜明け前はヴァータの性質が優勢とされ、心が静まり動きやすい時間と考えられてきたためです。

時間帯ごとにドーシャのリズムがあるという見方とも、太陽を基準にした区切りはよくなじみます。

よい時を選ぶほうのムフールタ

ムフールタは、婚礼、家を建てる日、旅立ち、店を開く日など、節目の日取りを定める場面でも用いられてきました。

この用法はジョーティシュ(インドの伝統的な天文暦の学問)の領域に属し、ナクシャトラ(月の宿)やナヴァグラハなどと組み合わせて判断されます。

日本で大安や吉日を選んで結婚式の日を決める感覚に、少し近いものです。

2つの意味をどう読み分けるか

ここで押さえておきたいのは、アーユルヴェーダが使っているのは主に時間の区切りとしてのムフールタであって、吉凶を選ぶほうのムフールタではないという点です。

日の出という観察できる基準にもとづいて1日を組み立てる、という実務的な使い方をしています。

意味使われる場面基準
時間の区切り起床時刻、1日の過ごし方日の出・日の入り
ふさわしい時を選ぶ婚礼、旅立ち、開業など星と月の配置

同じ言葉が出てきたら、どちらの意味で使われているかを見ると、文章がぐっと読みやすくなります。

時間や季節そのものを見立てに使う考え方については、カーラも参照してください。

本項目は伝統的な考え方の紹介であり、運勢や吉凶を判断するものではありません。また医学的な診断・治療を目的とするものでもありません。

FAQよくある質問

ムフールタとは何ですか?

インドの伝統的な時間の単位で、一日を30に分けたひと区切りを指します。24時間を30で割るとおよそ48分になります。転じて、事を始めるのにふさわしい時を選ぶ考え方そのものを指す語としても使われます。

ムフールタとムフルタは別の言葉ですか?

同じ言葉です。サンスクリット語のMuhūrtaをカタカナにするときの書き分けで、長く伸ばす音を表すかどうかの違いです。ブラフマムフルタのように、複合語では短く書かれることが多くなっています。

ブラフマムフルタとの関係は?

ブラフマムフルタは、日の出前のムフールタを指す語です。ムフールタが約48分のひと区切りなので、おおよそ日の出の1時間半前から始まる時間帯にあたります。