ブラフマムフルタ
Brahma Muhūrta / ब्रह्म मुहूर्त
Definition
日の出のおよそ1時間半前にあたる時間帯。起床に最も適するとされてきた。
この項目のポイント
- ブラフマムフルタは、日の出のおよそ96分前から始まる約48分の時間帯
- アシュターンガ・フリダヤは、1日の過ごし方の最初に、健康な人はこの時間に起きるべきと記している
- 時刻ではなく日の出が基準なので、季節によって前後する
- ヴァータが優位な軽く澄んだ時間帯とされ、瞑想や学びに向くとされてきた
早起きした朝の静けさが好きな方へ
まだ外が暗いうちに目が覚めた朝。
家族も街もまだ眠っていて、頭が不思議なほど澄んでいる。
その時間を特別だと感じる人は少なくありません。
アーユルヴェーダには、その時間帯を指す名前があります。
それがブラフマムフルタです。
ブラフマムフルタとは
ブラフマムフルタ(Brahma Muhūrta)は、日の出のおよそ1時間半前から始まる時間帯を指します。
ムフールタは1日を30に分けた時間の単位で、ひと区切りはおよそ48分です。
一般には、日の出の約96分前から約48分前までのひと区切りがブラフマムフルタとされます。
ブラフマは宇宙の創造神の名であり、聖なる知の意味でも使われる言葉です。
学びや祈りにふさわしい時間、というニュアンスが名前に込められています。
古典の1行目に置かれた時間
アシュターンガ・フリダヤは、1日の過ごし方(ディナチャリヤ)を説く章を、健康な人は寿命を守るためにブラフマムフルタに起きるべし、という一文で始めています。
続けて、起きたら前の晩の食事がこなれているかなど体の状態を確かめ、それから排せつや身支度へ進む流れが示されます。
1日の養生が、起きる時間から始まっていることがわかります。
時刻ではなく、日の出が基準
ブラフマムフルタは、決まった時刻ではありません。
日の出を基準に数えるので、季節によって大きく動きます。
| 時期(東京) | 日の出のおよその時刻 | ブラフマムフルタの始まり |
|---|---|---|
| 夏至のころ | 4時半前 | 3時前 |
| 冬至のころ | 7時近く | 5時過ぎ |
4時に起きなければならない、という決まりではないのです。
冬に5時台に起きられたなら、それはすでにこの時間帯に入っています。
なぜこの時間が大切にされるのか
1日の時間帯にはドーシャのリズムがあり、明け方はヴァータが優位とされます。
ヴァータの軽く、澄んで、動きやすい性質が、頭のはたらきや心の静けさを支えると説明されます。
そのため、瞑想やプラーナーヤーマ、学びにはこの時間が向くとされてきました。
日の出のあとはカパの時間帯に入り、体が重くなりやすいとされます。
寝坊した朝ほど体がだるく感じるのは、この流れの中で説明されます。
健康な人の、と前置きされている理由
古典の一文には、健康な人は、という前置きがあります。
体調を崩しているときや体力が落ちているときにまで、無理に起きることを求めているわけではない、と読むのが自然です。
睡眠(ニドラー)を削ってまで早起きするのは、本末転倒といえます。
早起きは、早寝とひと組で考えるものです。
日常の一手
まずは、就寝時刻を15分ずつ早めていく。
それから数分だけ、静かに座って呼吸を見てみる。
日の出の前後に起きられる日が少しずつ増えれば、それで十分です。
本項目は伝統的な考え方の紹介であり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。
FAQよくある質問
ブラフマムフルタは何時から何時までですか?
日の出の約96分前から約48分前までのひと区切りとされます。時刻ではなく日の出が基準なので、東京なら夏至のころは3時前から、冬至のころは5時過ぎからと、季節によって大きく動きます。
毎日この時間に起きられないと意味がありませんか?
そうとは考えられていません。古典の一文は健康な人を前提にしており、まずは就寝時刻を少しずつ早め、日の出の前後に起きられれば十分という捉え方が現実的です。
起きたら最初に何をするとされていますか?
古典では、起きたらまず前の晩の食事がこなれているかなど体の状態を確かめ、それから排せつや口の手入れへ進む流れが示されています。