古典・歴史アーユルヴェーダ八部門、今に残る分野と消えた分野
アーユルヴェーダには八部門と呼ばれる8つの専門分野があり、内科から生殖まで広い範囲を扱っていました。そのうち現代の生活に残っているのはどの分野で、現代医学に置き…
Rasāyana / रसायन
Definition
滋養と若返りを目的とする分野、およびそこで用いられる方法やハーブの総称。
この項目のポイント
ラサーヤナ(Rasāyana)とは、体の組織を養い、生命力を保つことを目的とするアーユルヴェーダの分野です。
日本語では若返り法、滋養法と訳されます。
古典に並ぶ八部門の一つに数えられ、そこで用いられる方法やハーブもまとめてラサーヤナと呼ばれます。
疲れが抜けにくくなった、季節の変わり目に崩れやすくなった。
そう感じたとき、何かを足して埋めたくなる気持ちは自然なものです。
ラサーヤナは、その気持ちに長い時間をかけて答えてきた体系だといえます。
ラサは、食べたものから最初に作られる栄養の滋液を指し、7つの組織(ダートゥ)の一番目にあたります。
アヤナは、道や行きわたることを意味します。
合わせて、養分が全身の組織にきちんと行きわたる道、というのがこの言葉の芯です。
若返りといっても、外から何かを貼りつけるのではなく、養う流れそのものを整えるという考え方になります。
チャラカ・サンヒターの治療編は、ラサーヤナの章から始まります。
病を治す話より先に、健やかな人をさらに養う話が置かれていることになります。
古典では、ラサーヤナは記憶や知性、若さ、肌のつや、声、体力などを保つものとして語られてきました。
精力を養う分野であるヴァージーカラナとは、八部門の中で別の部門として扱われます。
また、ラサーヤナの行い方として、専用の小屋にこもって行う方法と、日常生活を送りながら行う方法の2つが伝えられています。
ラサーヤナは、ハーブや食べ物だけを指すのではありません。
| 側面 | 中身 | 例 |
|---|---|---|
| 薬用のラサーヤナ | 滋養のためのハーブや配合 | アシュワガンダ、アムラ、トリファラ、グドゥーチー、ブラーフミー |
| 食と生活のラサーヤナ | 滋養のある食事と規則正しい暮らし | ギーやミルク、十分な睡眠 |
| 行いのラサーヤナ | 心のあり方と日々のふるまい | 正直であること、怒りを抑えること、穏やかに話すこと |
3つ目はアーチャーラ・ラサーヤナと呼ばれ、ハーブを使わないラサーヤナとして古典に挙げられています。
人に優しく接し、怒りにのまれず、よく眠る。
それだけで体が養われるという見方は、心と体を分けないアーユルヴェーダらしい発想です。
ラサーヤナの目的地としてよく語られるのが、オージャスです。
オージャスは、すべての組織が整ったときに生まれる生命力の精髄とされます。
組織を順に養っていくラサーヤナは、オージャスを育てる道筋として位置づけられてきました。
体を養う目的である以上、アグニが整い、アーマがたまっていない状態で行うことが前提とされます。
古典では、先に体を浄化してから行うのが本来の順序とされ、パンチャカルマの後に組まれることもあります。
汚れた布は先に洗ってから染める、というたとえで説明されることもあります。
消化が弱っているところに滋養のあるものを重ねても、うまく受け取れないと考えられているためです。
ラサーヤナは、若返りのサプリメントという意味で紹介されることがあります。
ただ、本来は一つのハーブではなく、食事と生活と心のあり方を含めた体系です。
ハーブを取り入れる場合も、体質や体調によって合う合わないがあるとされます。
製品の表示に従い、持病や服薬がある方、妊娠中・授乳中の方は、自己判断で始めずに医師や専門家に相談してください。
本項目は伝統的な考え方の紹介であり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。
ラサーヤナとは何ですか?
アーユルヴェーダの八部門の一つで、体の組織を養い生命力を保つことを目的とする分野です。日本語では若返り法、滋養法と訳されます。
ラサーヤナのハーブは誰が飲んでもよいのですか?
体質や体調によって合う合わないがあるとされます。サプリメントとして取り入れる場合は製品の表示に従い、持病や服薬がある方、妊娠中・授乳中の方は事前に医師や専門家へ相談してください。