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ヨガ・瞑想・呼吸

ナーディショーダナ

Nāḍī Śodhana / नाडी शोधन

Definition

左右の鼻を交互に使う呼吸法。片鼻呼吸とも呼ばれる。

この項目のポイント

  • ナーディ(プラーナの通り道)を清めるという意味の、左右の鼻を交互に使う呼吸法
  • 左のイダーと右のピンガラー、2つの流れの釣り合いを取る技法と位置づけられてきた
  • ハタヨーガの古典では、ほかの呼吸法に進む前の下ごしらえとして置かれている
  • 穏やかな技法とされ、落ち着かなさなどヴァータの乱れの文脈で紹介されることが多い

左右の鼻の通りが違う日

右の鼻だけ通りがいい。

しばらくすると、今度は左が通っている。

そんな左右の揺らぎに、気づいたことがある方は多いと思います。

ヨガの伝統は、この揺らぎを体の中の2つの流れとして捉え、その釣り合いを取る呼吸法を伝えてきました。

それがナーディショーダナです。

ナーディショーダナとは

ナーディショーダナ(Nāḍī Śodhana)は、左右の鼻を指で押さえながら交互に呼吸する方法です。

日本では、片鼻呼吸と呼ばれることが多い技法です。

ナーディはプラーナの通り道、ショーダナは清めることを意味します。

名前は、ナーディを清める呼吸、という意味になります。

左右の流れを整えるという考え方

体の左側には月と結びつくイダー、右側には太陽と結びつくピンガラーという、2本のナーディが通るとされます。

イダーは冷ます・受け取る性質、ピンガラーは温める・動き出す性質と結びつけられています。

どちらかに偏ると、落ち着かない、あるいはぼんやりするといった形で現れると説明されます。

左右の鼻を交互に使うのは、この2つの流れを行き来させ、真ん中へ戻すためと考えられてきました。

古典での位置づけ

ハタヨーガの古典『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』では、ナーディが清まっていなければ、息を保つ技法は実を結ばないと説かれています。

そのうえで、まずナーディを清める呼吸を行うよう順序が示されています。

ナーディショーダナは、プラーナーヤーマの中でも、ほかの技法に進む前の下ごしらえにあたる位置です。

現代の指導では、息を止める部分を省き、交互に吸って吐くだけの形から始めることが一般的です。

この形は、アヌローマ・ヴィローマと呼ばれることもあります。

基本の流れ

右手の人差し指と中指を折り、親指で右の鼻、薬指で左の鼻を押さえます。

この手の形も、ムドラーの一つとして扱われます。

  1. 背すじを伸ばして座り、何度か普通に呼吸する
  2. 親指で右の鼻を閉じ、左からゆっくり吸う
  3. 薬指で左を閉じ、親指を離して右から吐く
  4. そのまま右から吸い、左から吐く
  5. ここまでを1回とし、数回から始める

吐く息を、吸う息と同じか少し長くすると、落ち着いた流れになりやすいとされます。

回数を増やすより、呼吸が乱れない範囲で続けることが原則です。

ドーシャから見た向き不向き

ナーディショーダナは、プラーナーヤーマの中でも穏やかな方法とされます。

落ち着かない、眠りが浅い、考えが止まらないといったヴァータの乱れの文脈で、紹介されることが多い技法です。

冷ます方向にも温める方向にも大きく傾かないため、季節や体質を問わず選ばれやすいとされます。

温める方向のウジャイや、強く速いバストリカとは、ここが違います。

気をつけること

鼻が詰まっている日や、風邪で体調が悪い日は無理に行いません。

息を止める段階は、独学で長くせず、指導者のもとで学ぶのがよいとされます。

息苦しさやめまいを感じたら、すぐに普段の呼吸に戻してください。

持病がある方や妊娠中の方は、始める前に専門家に相談してください。

本項目は伝統的な考え方の紹介であり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。

FAQよくある質問

どちらの鼻から始めますか?

ハタヨーガの古典では、左の鼻から吸うところから始める形が説かれています。左で吸って右で吐き、右で吸って左で吐く、までを1回と数えるのが一般的です。流派によって細かな違いがあります。

鼻が詰まっているときはどうしますか?

無理に通そうとせず、その日は休むか、両方の鼻でゆっくり呼吸するだけにとどめます。片方が詰まった状態で続けると、息苦しさから呼吸が乱れやすくなります。

寝る前に行ってもよいですか?

息を止めずに、吸う息と吐く息を同じくらいの長さで数回行う程度なら、寝る前に取り入れられることもある穏やかな技法です。眠気より目が冴える感じが出る場合は、時間帯を朝や夕方に移します。