ヨガ・瞑想・呼吸呼吸法ガイド|4つの技法の使い分けと始め方
アーユルヴェーダとヨガで用いられる呼吸法を、目的別に4つ紹介します。ナーディショーダナ、ウジャイ、ブラーマリー、シータリーのやり方と、体質・季節に合わせた選び方…
Nāḍī Śodhana / नाडी शोधन
Definition
左右の鼻を交互に使う呼吸法。片鼻呼吸とも呼ばれる。
この項目のポイント
右の鼻だけ通りがいい。
しばらくすると、今度は左が通っている。
そんな左右の揺らぎに、気づいたことがある方は多いと思います。
ヨガの伝統は、この揺らぎを体の中の2つの流れとして捉え、その釣り合いを取る呼吸法を伝えてきました。
それがナーディショーダナです。
ナーディショーダナ(Nāḍī Śodhana)は、左右の鼻を指で押さえながら交互に呼吸する方法です。
日本では、片鼻呼吸と呼ばれることが多い技法です。
ナーディはプラーナの通り道、ショーダナは清めることを意味します。
名前は、ナーディを清める呼吸、という意味になります。
体の左側には月と結びつくイダー、右側には太陽と結びつくピンガラーという、2本のナーディが通るとされます。
イダーは冷ます・受け取る性質、ピンガラーは温める・動き出す性質と結びつけられています。
どちらかに偏ると、落ち着かない、あるいはぼんやりするといった形で現れると説明されます。
左右の鼻を交互に使うのは、この2つの流れを行き来させ、真ん中へ戻すためと考えられてきました。
ハタヨーガの古典『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』では、ナーディが清まっていなければ、息を保つ技法は実を結ばないと説かれています。
そのうえで、まずナーディを清める呼吸を行うよう順序が示されています。
ナーディショーダナは、プラーナーヤーマの中でも、ほかの技法に進む前の下ごしらえにあたる位置です。
現代の指導では、息を止める部分を省き、交互に吸って吐くだけの形から始めることが一般的です。
この形は、アヌローマ・ヴィローマと呼ばれることもあります。
右手の人差し指と中指を折り、親指で右の鼻、薬指で左の鼻を押さえます。
この手の形も、ムドラーの一つとして扱われます。
吐く息を、吸う息と同じか少し長くすると、落ち着いた流れになりやすいとされます。
回数を増やすより、呼吸が乱れない範囲で続けることが原則です。
ナーディショーダナは、プラーナーヤーマの中でも穏やかな方法とされます。
落ち着かない、眠りが浅い、考えが止まらないといったヴァータの乱れの文脈で、紹介されることが多い技法です。
冷ます方向にも温める方向にも大きく傾かないため、季節や体質を問わず選ばれやすいとされます。
温める方向のウジャイや、強く速いバストリカとは、ここが違います。
鼻が詰まっている日や、風邪で体調が悪い日は無理に行いません。
息を止める段階は、独学で長くせず、指導者のもとで学ぶのがよいとされます。
息苦しさやめまいを感じたら、すぐに普段の呼吸に戻してください。
持病がある方や妊娠中の方は、始める前に専門家に相談してください。
本項目は伝統的な考え方の紹介であり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。
どちらの鼻から始めますか?
ハタヨーガの古典では、左の鼻から吸うところから始める形が説かれています。左で吸って右で吐き、右で吸って左で吐く、までを1回と数えるのが一般的です。流派によって細かな違いがあります。
鼻が詰まっているときはどうしますか?
無理に通そうとせず、その日は休むか、両方の鼻でゆっくり呼吸するだけにとどめます。片方が詰まった状態で続けると、息苦しさから呼吸が乱れやすくなります。
寝る前に行ってもよいですか?
息を止めずに、吸う息と吐く息を同じくらいの長さで数回行う程度なら、寝る前に取り入れられることもある穏やかな技法です。眠気より目が冴える感じが出る場合は、時間帯を朝や夕方に移します。