アーユルヴェーダの用語・読みものを一語ずつ引けるオンライン辞典
施術・トリートメント

シロダーラ

Śirodhārā / शिरोधारा

Definition

額の中央に温めたオイルなどを一定のリズムで垂らし続ける、アーユルヴェーダを代表する頭部の施術。深いリラックスをもたらすとされる。

この項目のポイント

  • シロダーラは額の中央に温かいオイルなどを一定のリズムで垂らし続ける頭部の施術
  • 深いリラックスをもたらし、心の落ち着きや安らかな眠りを助ける養生とされる
  • サンスクリット語で「頭(シロ)」+「流れ(ダーラ)」を意味し、アーユルヴェーダを象徴する施術として知られる
  • 流す液はオイルのほか、乳、タクラ(薄めたヨーグルト)、煎じ液などがあり、体質と目的で選ばれる
  • タクラダーラは冷ます性質のタクラを用いる形で、ピッタの熱や暑い季節に向くとされる

考えごとが止まらない夜に

布団に入っても、頭の中で考えごとが回り続ける。

おでこのあたりがこわばって、なかなか眠りに落ちない。

そんなとき、額に手を当てたり、温かいタオルをのせたりしたくなるのは、とても自然な感覚です。

アーユルヴェーダには、その感覚をそのまま施術の形にしたような手当てがあります。

額に、温かい液体を細く流し続けるシロダーラです。

シロダーラとは

シロダーラ(Śirodhārā)は、額の中央に、温めたオイルや薬用の液体を細く一定のリズムで垂らし続ける、アーユルヴェーダを代表する頭部の施術です。

サンスクリット語で「頭」を意味するシロ(*śiras*)と、「流れ」を意味するダーラ(*dhārā*)を合わせた言葉です。

その名のとおり、頭に注がれる静かな流れが特徴です。

深いリラックスをもたらす施術

アーユルヴェーダでは、額に一定のリズムで注がれる温かい流れが、高ぶった心を静め、緊張をゆるめると考えられてきました。

深い安らぎのなかで思考が静まり、安らかな眠りにつながるとも伝統的に語られます。

とくに、動きすぎや不安定さをもつヴァータや、熱と鋭さをもつピッタを落ち着かせる養生として位置づけられています。

頭にオイルを用いる4つの形

アシュターンガ・フリダヤでは、頭に油を用いる方法として4つの形が挙げられています。

形やり方
シローアビヤンガ頭にオイルを塗ってなじませる
パリシェーカ(ダーラ)頭にオイルを注ぎかける
ピチュオイルを含ませた布を頭にのせておく
シローヴァスティ頭に筒を固定し、オイルを溜めておく

シロダーラは、このうちオイルを注ぐ形にあたります。

古典では、表の下に行くほど働きかけが強いと説明されています。

毎日の養生として身近なのが頭のアビヤンガで、シロダーラはそこから一段深い手当てという位置づけです。

液を変えた形

シロダーラで額に流すのは、オイルだけではありません。

体質や目的に合わせて、流す液の種類が選ばれます。

名前流す液伝統的に語られる方向
タイラダーラ薬用オイルヴァータの乾きと不安定さ
クシーラダーラ薬草で煮た乳ピッタの熱
タクラダーラ薬草を加えたタクラピッタの熱、暑い季節
カシャーヤダーラ薬草の煎じ液目的に応じて選ばれる

同じ流すという形をとりながら、液を変えることで向かう先を変える。

ここに、体質に合わせて手当てを組み立てるアーユルヴェーダらしさがよく表れています。

タクラダーラ(バターミルクのダーラ)

タクラダーラ(Takradhārā)は、オイルの代わりに、薬草を加えたタクラを額に流すシロダーラの一種です。

タクラは、ヨーグルトを水で薄めて攪拌したもので、バターミルクに近い飲みものです。

アーユルヴェーダでは冷ます性質を持つとされ、熱がこもりやすいピッタの状態や、暑い季節に向くとされてきました。

南インドのケーララ地方では、アムラなどを煮出した液とタクラを合わせて用いる作り方が知られています。

オイルのシロダーラが温めて落ち着かせる方向なら、タクラダーラは熱を冷まして静める方向です。

夏に頭がのぼせるように感じるときや、オイルのべたつきが気になるときの選択肢として紹介されることもあります。

どちらを選ぶかは、施術者が体質と季節を見て決めるのが伝統的なやり方です。

アビヤンガとの流れ

シロダーラは、多くの場合アビヤンガ(全身のオイルマッサージ)などで体をゆるめてから行われます。

全身を整えたうえで頭部へ働きかけるこの流れは、本格的な浄化法であるパンチャカルマの一連の手当ての中にも見られます。

受けるときの心構え

シロダーラは、専用の器具で液の温度・量・落とす位置を調整しながら行う、技術と設備を要する施術です。

そのため、経験のある施術者のもとで受けることがすすめられます。

体調や持病がある場合、妊娠中などは、事前に施術者や専門家へ相談することが大切です。

本項目は伝統的な考え方および一般的な情報の紹介であり、特定の効果・効能を保証したり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。

FAQよくある質問

シロダーラとは何ですか?

額の中央に、温めたオイルや薬用の液体を細く一定のリズムで垂らし続ける、アーユルヴェーダの頭部の施術です。サンスクリット語で頭を意味するシロと、流れを意味するダーラを合わせた言葉で、深いリラックスをもたらす施術として広く知られています。

シロダーラはどんな養生とされていますか?

アーユルヴェーダでは、額に注がれる温かい流れが心を静め、緊張をほどき、安らかな眠りを助けるとされてきました。とくに、動きや不安定さをもつヴァータや、熱をもつピッタを落ち着かせる養生として位置づけられています。

タクラダーラとは何ですか?

オイルの代わりに、薬草を加えたタクラ(ヨーグルトを水で薄めて攪拌したもの)を額に流すシロダーラの一種です。冷ます性質を持つとされ、熱がこもりやすいピッタの状態や暑い季節に選ばれてきました。

シロダーラを受けるときの注意点はありますか?

多くはアビヤンガ(オイルマッサージ)などで体をゆるめてから行われます。専門の技術と設備が必要な施術のため、経験のある施術者のもとで受けることがすすめられます。体調や持病、妊娠中などの場合は、事前に施術者や専門家へ相談してください。