アーユルヴェーダの食材やハーブの解説を読んでいると、同じ素材について複数の性質が並んでいて混乱することがあります。

これは、素材を3つの別々のものさしで見ているためです。

この3つを分けて理解すると、一覧を暗記しなくても判断できるようになります。

3つのものさし

ものさし意味分類
ラサ口で感じる味甘・酸・塩・辛・苦・渋の6つ
ヴィーリヤ体を温めるか冷ますか温める/冷ますの2つ
ヴィパーカ消化されたあとに残る作用甘・酸・辛の3つ

なぜ分ける必要があるのか

味から温冷が予想できない素材があるためです。

  • アムラ:強い酸味を持つのに冷ます性質
  • ごま油:甘味を持ちながら温める性質
  • フェンネル:甘味で、冷ます方向でありながら消化を助ける

味だけで判断すると、こうした素材を取り違えます。

だからアーユルヴェーダは、味と温冷を分けて記録してきました。

味と温冷を分けて記録する理由
味だけで見る
  • 温冷が予想できない素材がある
  • アムラやごま油を取り違える
分けて見る
  • 味と温冷を別々に確かめる
  • 一覧を暗記しなくても判断できる

使い方

何を摂るかで見るものさしの数が変わる
日々の食事
  • ラサ(味)
  • ヴィーリヤ(温冷)
続けるハーブ
  • ラサ(味)
  • ヴィーリヤ(温冷)
  • ヴィパーカ(消化後)

日々の食事なら味と温冷で足りる

熱がこもっているなら冷ます性質のもの、冷えているなら温める性質のもの。

味は、増えているドーシャを鎮める方向を選ぶ。

これだけで日常の調整はできます。

体の状態で選ぶ温冷のめやす
熱こもり冷ます性質のものを選ぶ
冷え温める性質のものを選ぶ
味増えているドーシャを鎮める方向

味の詳細は6つの味ラサにまとめています。

ハーブなら消化後の作用まで見る

継続して摂るものは、消化されたあとに体へ残す方向まで見ます。

渋味や苦味を持つものの多くは、消化後には辛味の作用を残すとされ、長く摂ると乾かす方向に働くと説明されます。

補助的な観点

3つのほかに、次の2つが加わることがあります。

  • グナ(性質):重い/軽い、油性/乾性、鋭い/鈍いなど、20の対になる性質
  • プラバーヴァ(特殊作用):3つのものさしでは説明できない、その素材固有の働き

実際の判断の流れ

  1. いま増えているドーシャを見る(ヴィクリティ)
  2. それを鎮める味を選ぶ
  3. 温めるか冷ますかを、体の状態と季節で決める
  4. 継続して摂るなら、消化後の作用も確認する

素材の例は代表ハーブ10選と台所のスパイス5つに、素材の性質を集めた文献についてはニガントゥの項目にまとめています。

本記事はアーユルヴェーダという伝統医学の考え方を知識として紹介するものであり、病気の診断・治療・予防を目的としたものではありません。体調に不安がある方、治療中の方は、必ず医師などの専門家にご相談ください。