ゴールデンミルク
Golden Milk / Haldi Doodh
Definition
温めたミルクにターメリックを溶かした、インドで古くから親しまれてきた黄金色の飲み物。夜のリラックス習慣として知られる。
この項目のポイント
- ゴールデンミルクは温かいミルクにターメリックを溶かした伝統的な飲み物
- インドではハルディドゥードと呼ばれ、家庭の定番として親しまれてきた
- 甘く冷ます牛乳と、苦く温めるターメリックという、性質の違う2つを合わせた一杯
- 牛乳は重い性質を持つとされるため、カパが高いときや消化が弱いときは量や時間を加減する
寝る前に温かいものが欲しくなる方へ
1日の終わり、冷たい飲みものより、マグカップを両手で包むような一杯が欲しくなる。
温かいミルクを飲むと、肩の力がふっと抜ける。
その感覚は、ずっと昔から多くの人が共有してきたものです。
インドの家庭では、そこにひとさじのターメリックを溶かしてきました。
黄金色の、ゴールデンミルクです。
ゴールデンミルクとは
ゴールデンミルクは、温めたミルクにターメリック(ウコン)を溶かした、黄金色の飲み物です。
インドでは古くからハルディドゥード(*Haldi Doodh*、ターメリックのミルク)と呼ばれ、家庭で受け継がれてきた定番の一杯です。
ハルディはターメリック、ドゥードはミルクを指すヒンディー語です。
風邪のひき始めや、疲れた夜に、母親や祖母が作ってくれる飲みものとして語られることの多い、家庭の知恵です。
近年は欧米のカフェ文化を経由して、ゴールデンミルクやターメリックラテの名で世界に広まりました。
なお、ゴールデンミルクという名前や決まったレシピが古典に書かれているわけではありません。
古典に書かれているのは、材料である牛乳とターメリックそれぞれの性質です。
2つの材料の性質
ゴールデンミルクは、性質の違う2つを合わせた飲みものです。
| 材料 | 味 | 温冷 | 伝統的な位置づけ |
|---|---|---|---|
| 牛乳(ドゥグダ) | 甘味 | 冷ます | 滋養を与え、体をうるおす |
| ターメリック(ハリドラー) | 苦味・辛味 | 温める | 乾かし、巡らせる |
牛乳は甘く冷ます性質で、重くうるおす方向の素材とされます。
チャラカ・サンヒターでは、生命力を支えるもののなかで最も優れたものとして牛乳の名が挙がります。
ターメリックは苦味と辛味を持ち、温める性質の素材とされます。
うるおす牛乳に、温めるターメリックを合わせる。
互いの偏りをならし合う、よくできた組み合わせとして読めます。
夜の安らぎの一杯
伝統的によく知られているのは、寝る前の温かい一杯としての飲み方です。
温かいミルクは心身を落ち着かせるとされ、乾燥や不安定さをもつヴァータをやわらげる夜の養生として位置づけられてきました。
1日の終わりに体を温めて休息へ向かう、ディナチャリヤ(1日の過ごし方)の締めくくりのような存在です。
眠りについての考え方は、ニドラーの項目で扱っています。
作り方の基本
基本の材料はミルクとターメリックだけです。
小鍋でミルクを温め、ターメリックをひとつまみから小さじ半分ほど溶かします。
好みで黒こしょう・生姜・シナモンを加える作り方が広く知られており、コクを足したいときにギーを少量落とす方法もあります。
黒こしょうは、アーユルヴェーダではほかの素材の働きを届きやすくする役割を持つとされます。
現代の研究でも、黒こしょうの成分ピペリンが、ターメリックの成分クルクミンの吸収に関わることが報告されています。
はちみつで甘みをつけるなら、火から下ろして飲める温度まで冷ましてから加えます。
はちみつは加熱しないというのが、アーユルヴェーダの原則だからです。
牛乳の代わりに豆乳やアーモンドミルクを使ってもかまいません。
体質で加減する
牛乳は重い性質を持つとされます。
体が重い日や、カパが高まりやすい季節、食後すぐでお腹が落ち着いていないときは、量を少なめにするのが伝統的な考え方に沿っています。
生姜や黒こしょうを少し多めにして、温める側に寄せる工夫もよく知られています。
牛乳に塩味の強いものや酸味のある果物を合わせるのは、ヴィルッダ・アーハーラ(合わない食べ合わせ)の例として古典に挙がる組み合わせです。
ゴールデンミルクは、ミルクとスパイスだけで作るのが基本です。
取り入れるときの注意
ターメリックの量が多いと苦みや土っぽさが立つため、少量から始めるのが失敗しないコツです。
体質や持病、服薬状況が気になる場合や、妊娠中・授乳中の場合は、習慣にする前に専門家へ相談することがすすめられます。
本項目は伝統的な考え方および一般的な情報の紹介であり、特定の効果・効能を保証したり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。
FAQよくある質問
ゴールデンミルクとは何ですか?
温めたミルクにターメリック(ウコン)を溶かした飲み物です。インドでは古くからハルディドゥード(ターメリックのミルク)と呼ばれて親しまれ、近年は欧米や日本でもゴールデンミルクやターメリックラテの名で知られるようになりました。
黒こしょうを入れるのはなぜですか?
アーユルヴェーダでは、黒こしょうはほかの素材の働きを届きやすくする役割を持つとされ、ターメリックと組み合わせる使い方が伝統的に知られています。現代の研究でも、黒こしょうの成分ピペリンがターメリックの成分クルクミンの吸収に関わることが報告されています。
はちみつはいつ入れればよいですか?
火から下ろし、飲める温度まで冷ましてから加えるのが伝統的な扱いです。アーユルヴェーダでは、はちみつを加熱することは避けるべきとされているためです。