アーユルヴェーダの用語・読みものを一語ずつ引けるオンライン辞典
ハーブ・生薬

グドゥチ

Guḍūcī / गुडूची

Definition

アムリタ(不死の甘露)とも呼ばれ、抵抗力の文脈で用いられてきたつる性のハーブ。

グドゥチとは

グドゥチ(Guḍūcī)とは、木に巻きついて伸びるつる性の植物で、アムリタ(不死の甘露)という別名を持つハーブです。

学名は *Tinospora cordifolia*、ツヅラフジ科に属します。

インドではギロイの名で知られ、家の庭先や街路樹に絡んでいる姿を見かけることも珍しくありません。

季節の変わり目や、なんとなく体力が落ちたと感じるときに名前が挙がる素材です。

アムリタと呼ばれる理由

アムリタは、神々が飲んで不死を得たとされる甘露のことです。

グドゥチがこの名で呼ばれるのは、それだけ命を支えるものとして重んじられてきたからだと説明されます。

チャラカ・サンヒターでは、知性や心の働きを養うとされるメーディヤ・ラサーヤナの一つに数えられています。

同じ仲間にはヤシュティマドゥなどが並びます。

ラサーヤナは、体と心の土台であるオージャスを養う方向の養生として語られてきました。

古典が記す性質

アーユルヴェーダでは、素材の性質を味・性質・温冷・消化後の作用の組み合わせで捉えます。

グドゥチについて、一般に伝えられている性質は次のとおりです。

見る角度グドゥチの場合
ラサ(味)苦味、渋味
グナ(性質)重い、油性
ヴィールヤ(温冷)温める
ヴィパーカ(消化後)甘味

おもしろいのは、苦味という冷ます側の味と、温める性質が同居している点です。

苦味はピッタとカパを鎮め、温める性質と油性はヴァータを落ち着かせる方向に働くとされます。

この組み合わせが、トリドーシャのどれにも偏りにくい素材として扱われてきた理由と考えられています。

茎を使うハーブ

グドゥチで主に使われるのは、つるの茎の部分です。

伝統的には、生の茎を搾った汁、煎じた液、粉末などの形で用いられてきました。

茎を水に浸して沈んだでんぷん質を集めたものは、グドゥチ・サットヴァと呼ばれます。

白くさらりとした粉で、苦味がやわらいだ形として知られています。

ニームに絡むグドゥチ

グドゥチは、ほかの木に巻きついて育ちます。

なかでもニームの木に絡んだものは、ニームの苦味の性質も受け継ぐとして、よいものとされてきた言い伝えがあります。

宿る木によって質が変わると考えるあたりに、植物を周りとのつながりの中で見るアーユルヴェーダらしさが表れています。

取り入れる前に

グドゥチはインドでは身近な素材ですが、体質や持病、飲んでいる薬によって向き不向きが変わります。

妊娠中・授乳中の方、持病のある方、薬を飲んでいる方は、自己判断で続けず医師や専門家に相談してください。

製品を使う場合は、表示されている量と使い方を守ることが前提です。

本項目は伝統的な考え方の紹介であり、医学的な診断・治療を目的とするものではありません。

FAQよくある質問

グドゥチとギロイは同じものですか?

同じ植物です。ギロイはヒンディー語圏で広く使われている呼び名で、インドの市場ではこちらの名前で売られていることが多いです。

苦いハーブなのに、なぜ体を冷やしすぎないとされるのですか?

古典では、味は苦味と渋味でも、性質は温める側、消化後の作用は甘味とされるからです。冷ます味と温める性質をあわせ持つため、どのドーシャにも偏りにくいと考えられてきました。

グドゥチはどのドーシャに向きますか?

3つのドーシャすべてに用いられるとされます。バラ(抵抗力)を支えるラサーヤナとして扱われてきました。体質や服薬の状況によって判断が変わるため、取り入れる前に専門家へ相談してください。